藻谷 俊介

2023年12月5日1 分

CPI消費者物価指数 10-11月分

10月の全国リアルタイムCPIインフレは、東京CPIが先に示していたコースを辿って再加速(図2D)。エネルギー、食品、娯楽などの上昇が効いている(3頁)。

一方、11月の東京リアルタイムCPIは減速(図2H)。とは言え、左記事のような前年同月比での遅れた減速に惑わされてはならない(図4C)。リアルタイムのインフレ率は2.8%と、前年同月比より大きいのである。デフレ時代への逆戻りを本気で心配する理由はない。

改めてリアルタイムと前年同月比の関係を説明すると、例えば図2Hのリアルタイムのグラフにおいて、過去1年分の平均が前年同月比と言うことになる。前年同月比のインフレ率が今になって下がっているのは、昨年末の高いところが、足元の低いところに置き換わっているからである。再来月になると、年初の低いところが足元の高いところに置き換わるので、前年同月比インフレは毎度ながら遅れて上昇することになる。

相変わらずサービスではなくモノのインフレである(図4L~M黄線)。