藻谷 俊介

2022年5月30日1 分

CPI消費者物価 4-5月分

2ヶ月前の号で、「インフレがいよいよ懼れられているが、3%インフレあたりが当面の目安となると思う。円安の加速などがあれば、多少増える可能性もあるが、今の段階では見たこともないインフレにはならないと言うのが結論である。」と述べて以来、実際のデータの動きも落ち着いていることが示されてきている。

5月まで入った東京のリアルタイム・インフレ率(図2H)は、想定通り天井を付けて、3.0%まで低下(4月は3.2%)。ガソリンなどの比率が高い全国CPIでは、4月は3.9%と東京より高めだが(図2D)、これも東京の後を追って5月には減速するだろう。ウクライナ戦争の影響を受けた今回のインフレ率のピークは、日本でも凡そ見えたと言えるのではないだろうか。前年同月比インフレ率はリアルタイム・インフレ率に遅れて増えていくが、後者を超えていくことはない。

もちろん、筆者がインフレを過大視してこなかった理由は、資源エネルギー価格(図6J~L)のインフレが先んじて減速してきたことにある。そしてそれらの減速は今月も継続していることを付け加える。