藻谷 俊介

2022年11月26日1 分

CPI消費者物価 10-11月分

当初インフレ率の正常化を10月頃と予想していた筆者は完敗。「価格転嫁を小出しにしたり、先送りしたりする企業もあるので図2D、Hの右肩がそれなりに膨らむ可能性も考慮する必要はある」と7月頃から予防線は張ってきたが、それに加えて追加的な円安が止まらず、図2D、Hは右肩の方が高い状態になってしまった。日本は図6J~Lのような下がり方をしなかったわけだ。

とは言え、その円安も一服した。図3~4頁を見ると、日本のインフレは圧倒的に「モノ」のインフレであることから、為替の変化は必ず効いてくる。ここまで遅れはしたが、やはりリアルタイム・インフレ率は間もなく下がると繰り返す他はないのである。ただ、リアルタイム・インフレ率は4.5%、遅行する前年同月比はまだ3.6%であるから、報道ベースではまだ高い数値が出続ける公算が高いのも困ったことである。