藻谷 俊介

2022年3月1日1 分

CPI消費者物価 1-2月分

当冊子のキーチャートである図2M黄線(図2Gを拡大したもの)は、2月は上昇し、そのモメンタムも一段上昇した(図2H)。底入れ感がはっきりしてきた。ただ、1月遅れの全国はまだ黄線のマイナスが続いている(図2L)。

これまでの号では、CPIをインフレ方向に牽引している食料、エネルギーが、デフレ方向に引っ張っている通信料に相殺されたため、日本のインフレが亢進しないことを説明してきた。ただ通信料も、図5K末端を拡大して見ると分かるように、徐々に下がらなくなってきた。その結果として、東京の図6Hでは通信料を入れても、除いてもインフレ率の差が出なくなってきている。通信料デフレという菅前首相の置き土産がなくなるとともに、日本も次第にインフレ率が上昇せざるを得ないと言うことであり、家計はここから諸外国同様にインフレの圧迫を強く実感することになるだろう。

右記事のように前年同月比では0.5%でも、図2Mが示すように足元では1.6%までインフレ率が亢進してきている。2%も遠くない。