藻谷 俊介

2021年2月26日1 分

CPI消費者物価 1-2月分

先月と同じ状況で、GoToキャンペーンが表面上作り出した物価下落がU字溝のような谷を作って、本来の物価推移を見えにくくしている。

図2M黄線の末端近くに架橋したように引いてある黒線が本来の物価推移で、その下の黄線が作るU字溝はGoToによる見かけ上の物価下落である。架橋線の勾配は年率で0.3%程度の弱いインフレで、これが今の本当のインフレ率である。

政府はまたGoToを始めるらしいが、それまではこの架橋線の先がどう伸びるかを見ていくことになる。GoToのようなものが生み出す不連続な物価変化により、便利な図2Dや図2Hがぶれて使えないのは残念である。取り敢えず2月の東京コアCPIは多少下落し(図2M黄線末端)、引き続きあまりインフレ的ではない。

4頁で費目を見ると、光熱費が足を引っ張っている。国際エネルギー価格は上昇中だが、日本は電気代がエネルギー価格にかなり遅行して変化するため、まだ絶賛デフレ状態(図3C、4C)。デフレ感の強い報道はまだしばらく続きそうである。