別府 浩一郎

2022年9月22日1 分

9月FOMCでの失業率見通し

9月FOMCの政策金利見通しを受け、先物市場におけるFF金利予想カーブは8月CPI発表時から更に上振れ。長期金利はFOMC当日は小緩んだものの、翌日には大幅上昇し、株価に逆風となった。失業率(U-3)見通しは2022年から2025年までの各第4四半期平均値の予測中央値が、順に3.8%、4.4%、4.4%、4.3%だった。この流れに従えば、最悪値は2024年の前半頃に4.5%~5%あたりとなるはずだ。コロナ禍前の6~7年ほど、最広義失業率(U-6)はU-3の2倍程度で推移していた。従って、最広義失業率では9%~10%程度までの悪化を想定していることになる。この値を前号で取り上げた最広義失業率とストック・フロー・レシオのXYグラフに当てはめて見て頂きたい。ちなみに、本年6月に結果公表の金融ストレステストの「悲観シナリオ」では、失業率(U-3)は10%に到達するという「設定」だった。今回の失業率見通しは「そのような事態までにはならない」という見立てではある。ただ、10年物金利、30年固定モーゲージ金利などは悲観シナリオ、基本シナリオの双方から懸け離れた動きとなっている。

米国に焦点が当たる裏側で、200日線に戻りが抑えられていた中国CSI300株価指数は、足元で2014年以降の長期下値支持線をひっそりと下回った。一旦沈静化していたソブリンCDS保証料率もコロナ禍直後の最悪値を更新した。