藻谷 俊介

2022年8月16日1 分

4-6月期GDP一次速報

下表が示すように、遡及上方修正の0.1%を加えると、当社SGRIモデルとは概ね合致しており、大きな違和感はない(実質輸出Xがプラスなのには納得できないが)。また、右記事の「市場予測を下回った」も表面的な分析で、遡及改定も含めれば市場予測を若干上回っている。

「コロナ前回復」と聞けば、新高値を付けたかのような印象を持つ読者もいるだろうが、実際は右グラフのように前年の安倍消費増税の段差が残っているし、名目の青線はコロナ前を回復できていない。内閣府のレクチャー通りに、何となくおめでたい雰囲気でまとめられた記事には違和感が増す。むしろ政府は、ようやく今ごろコロナ前が見えてきたのか...と反省する必要があるし、メディアもそこを突かなくてはならない。

世界はと見れば、線形はまったく異なる。図4Jが示すように、コロナ前を回復したのは、一昨年の第4四半期だ。それどころか、コロナなかりせばの黄線との差(スラック)も徐々に縮小している。コロナ前水準を超えたぐらいで、喜んでいてはダメなのだ。図3K灰線のように、ここから平均以上の勢いで成長することが目標になる。