別府 浩一郎

4月17日2 分

3月相場で記録した様々な節目

3月まで順調だった日米株式市場は、4月は米国の利下げ見通し後退と中東情勢の緊迫化により、上値が重たい展開となっている。もっとも、今次上昇相場は先月中に様々な節目に到達していたことも事実だ。例えば、TOPIXの200日線からの乖離率は3月22日に18.0%に達した。13年5月20日44.1%という強烈な数字があるが、これは超低迷相場からの大反転だからこそ記録し得たものだ。例外は「小泉郵政解散」相場で付けた06年1月5日の29.6%だが、今、仮に岸田首相がやけくそで解散総選挙に打って出たとしても、当時のように盛り上がるとは到底思えない。

「QUICK月次調査<株式>」における市場参加者の今3月末を対象とするTOPIX6ヵ月予想値(昨年10月初旬集計)は2370だった。3月末実績値は2768で、予想値を16.8%上回った。3月22日終値2813では18.7%上回っていたことになる。13年4月末42.9%、06年1月末36.8%を例外とすると、6ヵ月予想値からの外れ率ピークは繰り返し17%台で見ている。今回もほぼそれに相当すると見做して良いだろう。株価が数ヵ月膠着すれば、外れ率は自動的に沈静化する。もう一つ、東証プライム(旧1部)市場の予想加重平均利回り(週平均)を見ると、12年以降は2.65%が上限、下限は15年の1.57%から足元の2%近辺まで徐々に切り上がる形状となっている。これをここから大きく下振れさせるような株価の上昇は行き過ぎと思える。

BISの実質実効為替レート今3月分が発表された。64ヵ国・地域ベースで、日本は過去20年、過去3年の双方で最下位だ。円安を「異次元緩和のプラス面」と言うには惨めすぎる。