藻谷 俊介

2021年2月15日1 分

10-12月期GDP一次速報

最終更新: 2021年5月14日

当社の直前SGRI予測(下表)と総生産(青部分)では大差はなかったが、やけに民間企業設備(IP)が強く、輸出(X)が弱いため、内需>外需である点が、月次統計で見てきたイメージとは大きく異なる。

結果として、図5頁においては韓国と並ぶところまで躍進。確かに日本は月次では諸国に遅れて右ズレしていたため、10-12月期にもまだ勢いが残っていたことは間違いないが、このグラフが事実なら今の国内の湿っぽい報道はどうしたことか。

日経の右記事は、強いと書くか弱いと書くかで悩んだ姿が浮かぶ。「新型コロナウイルスの感染拡大前に届かない」と書く一方で、「(成長率は)7-9月期に比べると縮んだもののなお大きい」と書くなど方向性が定まらない。実際は図5頁紫線が示すように、1年前に100だったものが99まで戻ったのだから、コロナ前に届かないにしてもかなり届いてきたわけで、素直に強かったと書いて良いのではないか。

NHKは10-12月期が強かったことには余り触れず、次の1-3月期がマイナス成長になると民間が予想していることに一方的にフォーカス。相変わらずコロナでダメダメを繰り返している。1-3月の月次統計が出てくるのはこれからだと言うのに。

GDPは筆者にとっては事後確認指標であり、世論判断指標に過ぎないので、今回の数字で見通しが変わることはない。