藻谷 俊介

2023年5月17日1 分

1-3月期GDP一次速報

下表が示すように、珍しく遡及下方修正はほぼゼロ。推計が正確になったのなら良いのだが、今回は民間企業設備(IP)のところで当社SGRIモデルと大きな乖離が出ていて、筆者は納得できない。図2Gが示しているように、受注が名目でも大きく下がっているのに、2四半期以上たっても名目設備投資が減らないどころか加速しているのは不自然である。その分、ネット外需が削られているのも(図2K)、図4A対比で不自然である。

出来上がりは大差なく(下表青部分)、前号でも繰り返した不況や長期低迷はないという筆者の立場を認める結果だったことには満足しているのだが。

世界GDPの47%集計時点暫定値は図4Jの通り右上がりで、当然不況ではないが、コロナ前のトレンド(黄線)よりも勾配はまだ幾分緩やかである。月次統計では世界経済は底入れしたばかりであり、加速してくるのはこれからと言うことになるだろう。