藻谷 俊介

2021年5月18日1 分

1-3月期GDP一次速報

当社の直前SGRI予測(下表)とGDP総額(青部分)では大差はなかった。輸入(M)を除くと細目には相違があるが、これもままあることであり、概ねは妥当な結果だったと考えている。

1-3月期の消費は減ったが、月次のレポートで既述の通り、それは「1月こそ急減したが、2-3月で急回復し12月の水準をV字回復した」という経緯であり、累計でマイナスは残ったものの、足元では解決済みの問題である。GDPのような四半期統計を数ヶ月経ってから報道した場合、必要以上に古い情報に流されることになるので注意が必要だ。長年書いてきたように、GDPは筆者にとっては単に事後確認指標であり、世論判断指標に過ぎない。先読みはおろか、現況判断もできないのだ。

来年度は1.6%のゲタを履いたので、年内1.4%成長以上であれば、3%を超える成長が可能だ(表4G)。灰線程度でも3.4%成長になる(図3K)。

世界を見渡すと、1-3月期の成長率は特に低下しておらず、コロナ谷を回復しきって安定成長に移る直前というイメージだ(図4J)。5頁で国別に見ても、日、独、英がマイナス成長(末端が下がる)なだけで、他の国々はプラス成長である。つまり年末年始のコロナ問題で失敗した国々が経済も悪かったわけだが、欧州は順にワクチンの効果が出ていることから、日本だけが取り残されないように願うのみである。